2007年02月03日

オリーブの葉のジュースがギリシャで人気?

Times on Lineにこんな記事が載っていた。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,13509-2579131,00.html

オリーブの葉の汁にコレステロール値を下げ、癌を小さくするはたらきがあるという説がテレビで放送されたため、ギリシャでブームになっているという。

食品の健康効果に関するニュースに弱いのは、日本人だけではないようだ。

しかし、オリーブの葉の健康効果については、非常に少ない実験結果しかなく、また逆に、人間が食べたときに害がないと証明されているわけではないので、ギリシャの厚生省は、国民に摂取をやめるように呼びかけている。

その一方、ペロポネソス半島にあるミシニ(古代のメッセーネ)では、癌を病む兄弟にオリーブの葉の汁を飲ませるかどうかをめぐって、二人の男性(兄弟)が口論し、その結果、一方が他方を刺し殺すという事件がおきた。


それにしても、オリーブの葉は、パサパサしているのだが、あんなものから汁が取れるのだろうか?


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2006年10月21日

『キプロスの苦いレモン』

Bitter Lemons of Cyprusという本を読み終わった。Departmentの友達に奨められたものだ。ローレンス・デュレルというイギリスの著述家・詩人がキプロスに移住したときの記録だ。Durrellが移住してからしばらくして、キプロスの独立運動(かつてはイギリスの植民地だった)が起きるのだが、だいたい独立運動の最初ぐらいまでが記録されている。ということは、1950年代の話のようだ。

本の半分ぐらいは、平和なキプロスで、デュレルがいかにして友達を作り、古い家を買い、修復し、学校で教えたかみたいな、まあどうでもいいような話なのだが、後半がとても興味深かった。

キプロスで独立運動が盛んだったとき、急進的な独立推進派がテロ活動を行い、無関係な民間人を殺害して回ったらしい。その裏には、ギリシャ政府があって、Durrellは、ギリシャで訓練を受けたテロリストが派遣され、運動を指揮していたのではないかと考えている。デュレルがかつて学校で教えていた少年も、狂信的な独立思想に染まってテロリストに姿を変える。ギリシャ・キプロス人のテロリストとにわかテロリストたちは、無関係な民間人を、ギリシャ人であれ、トルコ人であれ、爆弾や銃で暗殺してゆく。理論では正当化できない行為。しかし、それが恐怖による支配、テロルの本質なのだろう。

と聞くと分かると思うが、規模は違うものの、現在のイラクの状況と重なる部分がある。Durrellによるテロリズムの記述を読んで、イラクで自国民を殺して回るテロリストがどんな感じの人たちなのか分かったような気がする。もちろん、彼らの考え方が理解できるわけではないのだが。
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2006年04月18日

盗まれた古代の美術品を大量に発見

ギリシャ警察は、キュクラデス諸島の小さな島シヌエッサにある別荘で、盗まれたものと見られる古代の美術品を大量に発見した。美術品の同定作業はまだ終わっていないが、その数は数百点にのぼる見られている。

警察はこれが、ゲッティー博物館(アメリカ、ロサンジェルス)の元学芸員マリオン・トゥルーに関係があると見ている。トゥルーは、古代の盗難美術品取引に関わったとの疑いのため、ローマで裁判中。

発見された考古学的遺物の中には、古代、初期キリスト教時代、ビザンツ時代のものが含まれており、ヴィラの外で見つかった船便用コンテイナーには、古代の神殿が丸ごとひとつ入っていた。

ヴィラの持ち主デスピナ・パパディミトリウーは、海運業を営む家族の一人で、現在はロンドンに住んでいる。彼女に対する事情聴取はまだ行われていない。彼女には、クリストス・ミハイリディスというアンティーク商の兄弟がいたが、この人物はすでに死去している。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-2138616,00.html


ギリシャで遺跡めぐりをしていると、「これ、盗めるんじゃないの?」と思わせる無防備な状態で、古代の遺物がごろごろ転がっているのを目にすることがある。さすがに、アテネではそのようなことはないが、ちょっとマイナーな遺跡に行くと、見学者が一人だけなどということはままある。だからといって、監視員を雇い入れれば、費用がかかるし、文化遺産に満ち溢れるギリシャにとって、文化財の盗難は頭の痛い問題だ。

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2006年04月01日

現代ギリシャの異教徒

先週のTimes(3月25日)を読んでいたら、変な記事が載っていた。

オリンポスの神々を崇拝する異教徒が、自分たちの信仰を国家が認めてくれるよう求めているというのだ。1000人程度のメンバーからなる「異教徒ギリシャ人最高評議会(Supreme Council of the Gentile Hellenes)」は、古代の神殿で宗教的な儀式を行えるようにして欲しいらしい。

小さな記事なので、残念ながらそれ以上のことは書いていない。

ご存知の方はご存知と思うが、ギリシャという国はかなり敬虔なキリスト教国だ。教会の前を通る時には、胸の前で十字を切るような人がたくさんいる。ギリシャの場合(他の正教国もそういうところが多いのではないかと思うが)、ギリシャ国民=ギリシャ正教徒といってもいいぐらいに、ギリシャ正教徒であるということが、ギリシャ人としてのアイデンティティーの一部になっている。つい最近まで、ギリシャ人の身分証明書には「宗教」の項があり、EUの規定でこれを削除するときには大騒ぎになったのを思い出す。

その一方で、ギリシャ人は、異教徒であった古代ギリシャ人の末裔であったということも誇りにしている。しかし、異教時代のギリシャという過去と、キリスト教時代のビザンツ帝国という過去は、必ずしも現代ギリシャの状況と相容れるものではなく、彼らの民族的アイデンティティーは矛盾を抱えている。矛盾を抱えているから弱いかというと、それは逆で、弱いだけに、それを補強しようとする政府のプロパガンダ教育が行き届いている。

そのような状況で、異教徒を名乗るギリシャ人はとても勇気があると思う。

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2006年03月28日

サラミス島でアイアスの神殿発見?

古代ギリシャの叙事詩詩人ホメロスの『イリアス』の登場人物で、トロイア戦争の戦士の一人、アイアス(もしくは、アヤクス、アイアクス)の宮殿が、サラミス島のカナキア村で発見されたというニュースを見つけた。

もちろん、こういうニュースは、タイトル以外のところをよく読み解かねばならない。

発見されたのは、面積750平方メートル、少なくとも三階建て、30以上の部屋がある巨大な神殿の跡。発見したのはギリシャの考古学者ヤノス・ロロス(Yannos Lolos)氏。アイアス一族の宮殿であると同定したのもこの人。

ミケーネ時代の巨大な宮殿であること自体は間違いないようだが、アイアスの宮殿であるとの同定に関しては、他の考古学者はロロス氏ほどは断定的ではない。

残念ながら、宮殿の残存状態に関して、この記事は何も伝えていないため、基礎部分以外に何が残っているのかは分からない。

サラミス島は、ギリシャの島々の中では考古学調査が進んでおらず、有名な遺跡は一つもない。アイアスの宮殿であるかどうかは別として、ミケーネ時代の新たな宮殿として、調査の進展が楽しみだ。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,13509-2106548,00.html

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2006年03月25日

キプロスの新エアラインに認可下りず

去年の8月、キプロスのバジェット・エアライン「ヘリオス・エアウェイズ」が運行する旅客機がギリシャに墜落して、121人が死亡するという事故があった。

ヘリオス・エアウェイズを経営していた会社「リブラ」は、ヘリオスの旅客機と乗務員をそのままajet(アジェットなのかエージェットなのか読み方不明です)という会社に引き継いで、今日(3月24日)から運行を始める予定だった。

しかし、その今日になって、キプロス政府は、ajetには許認可が降りていないとして、飛行を中止させた。

ハリス・トラスー・キプロス運輸大臣は、ajetへの許認可は、去年の事故でヘリオスに過失がなかったと検事総長が認めるまでおりないことになっていたことを明らかにし、ajetがどうやって許認可なしにフライトスケジュールを立てることができたのかを調査すると明言した。


ヘリオスの事故では、コックピットの気圧が急激に下がって、パイロットが瞬時に意識を失ったらしい。もちろん、気圧が下がったりすることがないように安全装置はあるはずなのだが、それは働かなかった。墜落地点には、冷凍された状態の遺体が散らばっていたといわれ、かなりミステリアスな事件だったのを覚えている。4月には、調査レポートが出るそうなので、また何か分かったら、ここに書き込みたい。


http://www.timesonline.co.uk/article/0,,13509-2101981,00.html

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2006年03月08日

ギリシャの「カラマンリ」

今日のバーミンガムは雨。でも、気温は高い。早く春が来ないかなー。

現在ギリシャの首相はネオ・デモクラティア(新民主党)のコスタス・カラマンリスという人だ。この人の伯父であるコスタンディノス・カラマンリスも1955年以降何度か首相職を務め、最後には大統領になった大政治家なので、こちらのカラマンリスを知っている人も多いかもしれない。この二人に関しては、Wikipediaを参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/コンスタンディノス・カラマンリス
http://ja.wikipedia.org/wiki/コスタス・カラマンリス
しかし、今回はカラマンリス氏とは直接関係のない話。
もともと、カラマンリ(Karamanli)というのは、オスマントルコ支配下の小アジア(現在トルコがあるところ)のギリシャ人のうち、キリスト教信仰は保ちながらも、トルコ語を使うようになった人たちを指す言葉だ。
小アジアには古代からギリシャ人が植民し(ペルシャ戦争の発端となったイオニア植民市の反乱を思い出して欲しい)、その後、アレクサンダー大王の後継者王国(セレウコス朝シリア、アッタロス朝ペルガモン、そして一部はプトレマイオス朝エジプトに支配されたこともある)に支配されたためにギリシャ化した(ヘレニズム)。このため、小アジア(アナトリアとも呼ばれる)ローマ時代、ビザンツ時代を通じて、ずっと広い意味での「ギリシャ人」の故郷だったのだ。オスマントルコに征服されると、一部のギリシャ人は逃げ出したが、大多数はそこに残って暮らし続けていた。だから、小アジアにはたくさんのギリシャ人がいたのである。
話を元に戻すと、このカラマンリと呼ばれる人々は、ギリシャ人でキリスト教徒ではあるけれども、言語だけはトルコ語を使うようになった。ただ、興味深いことに、書くときにはアラビア文字(アタテュルクの改革の結果、現在トルコ語はラテンアルファベットを採用しているが、オスマントルコ時代はまだアラビア文字だった)ではなく、ギリシャ文字を使っていたため、印刷物としても、ギリシャ文字で書かれたトルコ語の文献というのが残っているのだそうだ。
話がさらに最初に戻るが、カラマンリス首相の先祖は、こうした「カラマンリ」ギリシャ人なのであろう。
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サラゴスティ(四旬節)

昨日からギリシャ正教会ではサラゴスティ(テッセラゴスティに由来する)と呼ばれる、四旬節がめぐってきた。最初の月曜日のことはカサリ・デフテラ「清浄な月曜日」と呼ぶ。

カトリック教会を初めとする、そのほかの多くの教会ではもう行われなくなってしまった、復活祭前の食事制限を、正教会ではまだ守っている。信徒も、完全な形ではなくとも、なんとか実践する人が多い。

という話は別のところで書いたので詳しくは触れない。

http://www.mesogeia.net/orthodox/fasting.html

数日前、イタリア人の友達にあったので、イタリアのカトリック教徒はどうするのか聞いてみた(ちなみに、カトリック教会ではすでに一週間前から始まっている)。彼女が言うには、金曜日に肉を避けて魚を食べるようにするのが唯一実践されていることだそうだ。聖職者はどうなの?と訊いてみたが、やはり同じだと言っていた。私はイタリアのピサで五年間生活していたことがあるが、たしかに、それらしいことを見聞きした覚えはない。金曜が魚(でも、これは四旬節の期間に限らなかったと思う)ということだけだ。一体、カトリック教会ではいつから実践されなくなったのか、調べてみなければならない。

イギリスでは、先週の2月28日(日は年によって違う)が「パンケーキの日」だったのだが、これも実は四旬節と関係していて、食事節制期間が始まる前にバター、卵、牛乳などを使ってしまおうとしたのが起こりなのだそうだ。もちろん、イギリス国教徒は宗教的な食事節制などしないが、こんな習慣だけが残っているのだ。
posted by kappa at 01:32| ロンドン ??| Comment(0) | TrackBack(0) | ギリシャ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする