2006年04月22日

アウグストゥスの『平和の祭壇』公開へ

ローマ帝国初代の皇帝アウグストゥスが平和の女神「パクス」に捧げた祭壇が、再び公開される。

ローマ市長ヴェルトローニ市は、平和の祭壇とそれに併設した博物館を、今年のクリスマスに公開することを明らかにした。

平和の祭壇の修復は七年間続いていた。

http://www.repubblica.it/2006/04/sezioni/cronaca/apertura-ara-pacis/apertura-ara-pacis/apertura-ara-pacis.html


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2006年04月18日

ロシアと中国、国連の人権擁護決議に反対

17日夜、国連の決議委員会(Sanction Committee)で、中国、ロシア、カタールは、イギリスが提案していた、スーダンのダルフールで起きた虐殺・民族浄化・人権侵害の責任者四人に対する、旅行禁止と財産凍結提案を否決した。

これに立腹したアメリカは、決議を15国からなる安全保障理事会での決議に持ち込み、ロシアと中国に、正式な拒否権を発動させるよう追い込もうとしている。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-2138685,00.html

中国とロシアに、人権擁護など、期待するほうが無理だと思う。本当に日本は国連中心外交などと言っていていいものだろうか?


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posted by kappa at 16:43| ロンドン | Comment(0) | TrackBack(0) | ヨーロッパ以外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

盗まれた古代の美術品を大量に発見

ギリシャ警察は、キュクラデス諸島の小さな島シヌエッサにある別荘で、盗まれたものと見られる古代の美術品を大量に発見した。美術品の同定作業はまだ終わっていないが、その数は数百点にのぼる見られている。

警察はこれが、ゲッティー博物館(アメリカ、ロサンジェルス)の元学芸員マリオン・トゥルーに関係があると見ている。トゥルーは、古代の盗難美術品取引に関わったとの疑いのため、ローマで裁判中。

発見された考古学的遺物の中には、古代、初期キリスト教時代、ビザンツ時代のものが含まれており、ヴィラの外で見つかった船便用コンテイナーには、古代の神殿が丸ごとひとつ入っていた。

ヴィラの持ち主デスピナ・パパディミトリウーは、海運業を営む家族の一人で、現在はロンドンに住んでいる。彼女に対する事情聴取はまだ行われていない。彼女には、クリストス・ミハイリディスというアンティーク商の兄弟がいたが、この人物はすでに死去している。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-2138616,00.html


ギリシャで遺跡めぐりをしていると、「これ、盗めるんじゃないの?」と思わせる無防備な状態で、古代の遺物がごろごろ転がっているのを目にすることがある。さすがに、アテネではそのようなことはないが、ちょっとマイナーな遺跡に行くと、見学者が一人だけなどということはままある。だからといって、監視員を雇い入れれば、費用がかかるし、文化遺産に満ち溢れるギリシャにとって、文化財の盗難は頭の痛い問題だ。

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2006年04月14日

イギリスのカレー Pt.2

今日は復活祭前の金曜日、Good Fridayということで、大学も仕事もお休み。ゆっくりブログ書きをする時間がある。

前回、イギリスにおける印・パ・バングラ・カレーの話を書いたが、それにちょっとつけたし。

イギリスでカレーといえば、もはやインドなどの本場に近いカレーの事を指すと言ってもいいだろう。スーパーでは、インスタントカレーなどというものはなく、Balti、Tikka Masala、Kormaなど、カレーの種類がラベルに書かれた瓶詰めなり缶詰なりを買ってくることになる。

それでは、日本のカレーのルーツといわれる、イギリスカレーはもう存在しないのか?というと、これもひっそりと生きながらえている。

印・パ・バングラ系レストランでメニューをじっくり読むと、50種類も60種類もあるさまざまな名称のカレーの中に、Curryという項目も含まれているのを発見することができるだろう。たいていは、さまざまな種類のカレーの中で一番値段が安い。

これまで、私はCurryを注文したことはなかったのだが、友達数人とインドレストランを訪れた際、一緒にいた人の一人が、何を思ったか、Chicken Curryを注文したので、実物を目にすることができた。写真がないのが残念だが、特に何の変哲もないカレールーの中に、鶏肉の切り身がブツブツと5つぐらい入っていた。見た目は水っぽくて、いかにも美味しくなさそう。一般的な印・パ・バングラのカレーは、スパイスがブツブツ入っているか、少なくとも、こんなにサラサラではないので、見た目からしてかなり異様だった。残念ながら、私は食事節制中で肉を食べられなかったのだが、結局この料理だけ、みんなが食べ残したので、きっと美味しくなかったのだと思う。

私はこれと似たものを別の機会にも見たことがある。それは、バーミンガムにあるフードマーケット内で、チップス(フライドポテトのこと)のカレーがけというのを頼んだときのことだった。フライドポテトの上に、薄いカレー汁にとろみをつけたようなものがかかっている。ちょっとだけブツブツしたものが入っており、何かと思って味わってみると、揚げカスのような味がした。後から考えてみれば、とろみをつけるために入れた小麦粉がだまになったものだったのだと思う。味は、カレーと湯と小麦粉を混ぜたような感じで、ぜんぜん美味しくなかった。しかし、今から思えば、これがまさに「イギリスカレー」だったのだと思う。

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ローマ教皇、ユダを批判

ベネディクトゥス(ベネデット)十六世は、昨日(4月13日)の法話の中で、ユダは強欲で、嘘つきで、欺瞞に生き、改宗することができなかったと、イスカリオテのユダを強く批判した。

法話の中で、『ユダによる福音書』に触れることはなかったが、先日アメリカで公開されたこの偽典への間接的な言及であることは間違いない。

ベネディクトゥス16世によれば、「(ユダは)キリストを権力と成功を基準に評価する。彼にとっては権力と成功だけが真実であり、愛は価値を持たない。そして、彼は強欲である。金銭が、イエスとの一致(コムニオ)よりも大事であり、神よりも、神への愛よりも重要なのだ」。

キリスト教の中には、このようにユダへの憎悪とも言えるものがある。他方で、キリスト教は、敵を愛することを勧め、許せないということを罪だと説いているため、多くのキリスト教徒のユダに対する態度はベネディクトゥスのそれよりも曖昧だ。前教皇、ヨハネ・パウロ二世も著書の中で、ユダは永遠に地獄に落ちたわけではないだろうと推察している。

前回も書いたように、『ユダによる福音書』には、イエスの生涯を記述する歴史文書としての価値はなく、あくまでも、それが書かれたであろう二世紀の末から三世紀の初めにかけてのキリスト教やその分派の考え方に光を当ててくれるだけだ。にも拘らず、『ユダによる福音書』をまるで聖典のように扱い、ユダを再評価しようとする人たちがいるようだ。ベネディクトゥス十六世が今回特に厳しくユダを批判した背景には、こうした理由がある。

http://www.corriere.it/Primo_Piano/Cronache/2006/04_Aprile/14/accattoli.shtml
http://www.corriere.it/Primo_Piano/Cronache/2006/04_Aprile/14/messori.shtml
http://www.repubblica.it/2006/04/sezioni/cronaca/settimana-santa-giuda/settimana-santa-giuda/settimana-santa-giuda.html

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2006年04月13日

コルレオーネ村でマフィアのドン逮捕

映画『ゴッドファーザー』でおなじみの、シチリアの村コルレオーネで、「ボス中のボス」として知られていたマフィアのドンが逮捕された。

ドンの名前はレオナルド・プロヴェンツァーノ。四十年間も逃亡生活を続けていた。「逃亡生活」とはいえ、実際は、妻や息子の住む家から2キロしか離れていない場所に隠れ住んでいたことが分かって、人々を驚かせている。

隠れ家の机の上には、イタリアで聖人と崇められているパドレ・ピオの写真、聖書五冊、そして対マフィア捜査マニュアルが発見された。

ボスが発見されたのは、誰かが裏切ったからではなく、警察がボスの伝令の跡をたどり続けた成果だった。プロヴェンツァーノは電話も、当然携帯電話も使わず、連絡はすべて手紙でのやり取りだけで済ませていた。

シチリアには、まだ『ゴッドファーザー』に描かれたマフィアの世界が生きているようだ。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,13509-2130223,00.html
http://www.repubblica.it/2006/04/sezioni/cronaca/provenzano/catturato/catturato.html

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2006年04月08日

『ダヴィンチ・コード』裁判結審

The Holy Blood and the Holy Grailという本の作者が、ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』を出版したランダムハウスを著作権侵害で訴えていた裁判は、予想通り原告敗訴で終結した。

著作権というのは、著作の文章や中心的なアイディアのみを保護するものであり、アイディアの一部を借用した程度で著作権侵害を問うのは難しいというのは最初から分かっていたことだった。

訴えていたBaigentとLeighという歴史家・著作家は、自らの裁判費用のほかに、ランダムハウスの裁判費用85%を負担するようにという命令を受け、上告することは禁じられた。

さて、その裁判費用というのがすごい。BaigentとLeigh両氏の費用は80万ポンド(1億六千万円ほど)、ランダムハウスのほうは130万ポンド(2億6千万円ほど)。その85%は2億2千万円程度とすると、総額で3億8千万円に上る。

この裁判のおかげで、BaigentとLeigh両氏の著作の売れ行きも上がったそうだが、それだけではとても支払いきれる額ではない。家を売らなければならないそうだ。

なぜこんなバカな裁判を起こしたのか?どうやら原告は、ランダムハウスが折れて、和解金を支払ってくることを期待していたらしい。この訴訟を裁いたスミス裁判官は、判決趣意の中で和解金をせしめることを狙って訴訟を起こす人を批判した。

このようなバカな訴訟を起こさなければ、BaigentとLeighは高名な歴史書作家として富と名声(ダン・ブラウンのそれには及ばないにせよ)を享受し続けられたのだから、この過ちはあまりに高くついたとしか言いようがない。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-2123521,00.html
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,26909-2123684,00.html

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2006年04月07日

ユダはキリストを裏切らなかった?

イスカリオテのユダは裏切り者ではなかったとするアポクリファ(偽典もしくは典外典)のマニュスクリプトが、今日(4月6日)、ワシントンDCのナショナル・ジオグラフィック・ソサエティーで初めて公開された。

「アポクリファ」というのは、キリストや使徒たちについて書かれた古代の文書で、聖書に採用されなかったものを指す。問題のマニュスクリプトは紀元300年ごろのエジプトで書かれたものだそうだが、150年頃に書かれた『ユダによる福音書』の写しだと信じられている。1970年代にエジプトのベニ・マサル近郊で発見されたが、公開されるのはこれが初めて。

新約聖書に含まれている福音書では、イスカリオテのユダは、銀貨30枚と引き換えにキリストを当局の手に引き渡したことになっているが、このマニュスクリプトによれば、ユダはキリストの命令に従って、当局にキリストの所在を通報したことになっている。

確かに、キリストが処刑されなければ、人間の罪を贖うことができなかったのであり、ユダは人類の救済に貢献したのだと言うこともできる。ユダが神の計画の一部であったというのは、すでに二世紀には現れていた考え方。最近でも、ニコス・カザザキスの『キリストは二度磔にされた』と、その映画化『キリスト最後の誘惑』(マーチン・スコセッシ監督作品、ユダはハーヴェイ・カイテルが演じている)が、この説を採用しているので、ご存知の人もいると思う。

『ユダによる福音書』が成立したのが二世紀の半ばだとすると、イスカリオテのユダが書いたということは有り得ず(しかし、ユダという名前の別人が書いた可能性はある)、ここから歴史的キリストについて何かが分かるということはないが、二世紀のキリスト教を知る上では、重要な文献だということができる。


http://www.timesonline.co.uk/article/0,,3-2121611,00.html

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2006年04月06日

葉酸をパンに添加することが義務化

イギリス食物基準局は、一年以内に、葉酸をパンに添加することを義務化する。

葉酸はビタミンBの一種で、ブロッコリ、芽キャベツ、豆類には自然に含まれている。

妊娠中、または妊娠を予定している女性が葉酸を摂取することで、生まれてくる子供の、ある種の障害を減少させられることが知られており、より一般にも、流産、発作、心臓病、骨障害を防ぐ効果もある。妊娠の50%は予期しない妊娠であるとの統計があり、普段から葉酸の摂取を義務付けたほうが得策だと政府が判断した模様。

政府が、食品生産業者に添加物を義務化するのは、第二次世界大戦以来だそうだ。

アメリカ、カナダ、チリではすでに葉酸の添加が義務化され、胎児のある種の奇形を減少させている。

葉酸の添加を、パンだけにするのか、それとも小麦粉すべてに加えるのかはまだ決まっていない。また、全粒粉で作られるパンは除外しようという案もある。

正直、日本にいたときには、葉酸について聞いたことがなかった。葉酸は、妊娠期にある女性だけではなく、すべての人が必要とするビタミンなので、もし必要ならば、日本政府も考えたほうがいいかもしれない。ただ、日本人は全員がパンを食べているわけではないので、添加する対象も思案しなければならないだろう。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,8122-2119366,00.html

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ドナルドソン元シン・フェイン幹部暗殺続報

昨日、デニス・ドナルドソンという、シンフェイン党の元幹部で、イギリス政府のスパイであった人物が暗殺されたというニュースを書き込んだが、それに関する続報。

ドナルドソン氏は、射殺され、右手を切り取られた状態で発見された。殺害の前に拷問を受けたとの情報もあるが、警察はこれを確認することを拒否している。

アイルランド警察は、IRAが命を狙っていることを、事前にドナルドソン氏に伝えていたことが明らかになった。

今日、ブレア英首相と、アハーン・アイルランド首相は、この事件によって、北アイルランド和平プロセスが中断することがないことを確認したが、シン・フェインと、イアン・ペイズリー氏率いる民主統一党(DUP)が、期限として指定されている11月24日までに合意に達する可能性は、よりいっそう小さくなった。

http://www.timesonline.co.uk/article/0,,2-2119821,00.html

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2006年04月05日

シン・フェインの幹部の元スパイ、殺害される

4月4日、シン・フェイン党の元幹部であったデニス・ドナルドソン氏が殺害されているのが発見された。頭を打ち抜かれていたという。去年、ドナルドソン氏は、20年間イギリスのスパイであったことを告白して以来、身を隠していた。

北アイルランドの政治家、イアン・ペイズリー氏がChannel4のインタビューに答えた発言によれば、ドナルドソン氏は両腕を切り取られていたという。別の説によれば、手の一つを切り取られていたという。

ドナルドソン氏の殺害に関し、アダムズ・シン・フェイン党党首は、犯行を非難する声明を出した。

ドナルドソン氏は、ずっとスパイであったことを隠していたのだが、彼がイギリス政府側のスパイであることを知らなかった警察が共和主義派のスパイであるとの容疑で逮捕したため、ドナルドソン氏は身元を明らかにせざるを得なくなった。

IRA(シン・フェインと事実上一体であると言われている武装組織)は、いまでも北アイルランドで強い勢力を持っており、特に最近は犯罪組織化している。大規模な銀行強盗に関わったほか、IRAのメンバーがパブで男性を殴り殺すという事件もあった。後者は単純な暴力事件で、政治色はまったくない。しかし、IRAは犯人を隠しており、事情を知っている人もIRAを恐れて名乗りを上げないため、犯人は捕まらないままだ。

このような事情のため、これまでIRA、シン・フェインの大きな資金源のひとつであった、アメリカのアイルランド移民が、資金提供をためらうようになっている。

まだ、ニュースは速報段階なので詳しいことは分からないが、明日、もっと確実な情報がでてくれば、続報を書き込む。

http://news.bbc.co.uk/1/hi/northern_ireland/4877516.stm

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2006年04月03日

ブレア首相とブラウン蔵相の不仲

ブレア首相とブラウン蔵相は、かつて親友、盟友だったのだが、最近は仲が悪いともっぱらの評判だ。

仲が悪くなった原因は、ブレアが二期目を終えたら、ブラウンに党首・首相の座を禅譲すると約束していたのに、それを反故にしたからだという。結局、それで労働党は選挙に大勝したので、よい判断だったのかもしれないが、二人の仲はこじれたままらしい。

このため、ブレア派(「ブレアライト」という)の人々が、ブラウン蔵相を批判するような発言を繰り返していた。このため、フーン元国防相が、ブレア派にこのような行動を慎むように求めたとのこと。

フーン氏自身ブレア派なのだが、彼の場合は中道ブレア派。極ブレア派は、ブレア氏自身の意図を超えて、ブレア擁護に走っているらしい。


http://www.timesonline.co.uk/article/0,,17129-2115986,00.html

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2006年04月01日

現代ギリシャの異教徒

先週のTimes(3月25日)を読んでいたら、変な記事が載っていた。

オリンポスの神々を崇拝する異教徒が、自分たちの信仰を国家が認めてくれるよう求めているというのだ。1000人程度のメンバーからなる「異教徒ギリシャ人最高評議会(Supreme Council of the Gentile Hellenes)」は、古代の神殿で宗教的な儀式を行えるようにして欲しいらしい。

小さな記事なので、残念ながらそれ以上のことは書いていない。

ご存知の方はご存知と思うが、ギリシャという国はかなり敬虔なキリスト教国だ。教会の前を通る時には、胸の前で十字を切るような人がたくさんいる。ギリシャの場合(他の正教国もそういうところが多いのではないかと思うが)、ギリシャ国民=ギリシャ正教徒といってもいいぐらいに、ギリシャ正教徒であるということが、ギリシャ人としてのアイデンティティーの一部になっている。つい最近まで、ギリシャ人の身分証明書には「宗教」の項があり、EUの規定でこれを削除するときには大騒ぎになったのを思い出す。

その一方で、ギリシャ人は、異教徒であった古代ギリシャ人の末裔であったということも誇りにしている。しかし、異教時代のギリシャという過去と、キリスト教時代のビザンツ帝国という過去は、必ずしも現代ギリシャの状況と相容れるものではなく、彼らの民族的アイデンティティーは矛盾を抱えている。矛盾を抱えているから弱いかというと、それは逆で、弱いだけに、それを補強しようとする政府のプロパガンダ教育が行き届いている。

そのような状況で、異教徒を名乗るギリシャ人はとても勇気があると思う。

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「コーヒー二つお願いします」

英語ネタをもう一丁。

カフェで二杯以上のコーヒーを頼む時どう言って頼むだろうか。私が中学校で繰り返し習ったのは、
Two cups of coffee, please.
である。しかし、この二年間、イギリスでこの表現は聞いたことがない。実際に使われているのは、
Two coffees, please.
紅茶なら、
Two teas, please.
と頼む。
もしかして、Uncountable(不可算名詞)なのかな、と思って、
Two tea, please.
と言ってみたら、
Two TEAS?
と直されてしまった。

ちなみに、カップチーノcappuccinoの複数形は、イタリア語での複数形、cappucciniではなく、単純にcappuccinosとなる。ギリシャ人の名前みたいだ。
カフェでよく売られている食べ物、パニーニpaniniというのは、長めのパンの間に具を挟んで焼いたサンドイッチのこと。イタリア語では、paniniだと複数形だが(イタリア語での単数形はpanino)、英語では単数形として扱われているので、複数にするときには、普通にpaninisとなる。

イタリア語でパニーノというと、第一義は「小さなパン」、第二義が「サンドイッチ」(特に焼いたものをさすわけではない)だ。イタリア人がイギリスに来てパニーニに接すると、びっくりするんだろうなと思う。

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